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「卒FIT」って何?卒FIT後の3つの選択肢
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卒FIT
太陽光発電
2020.06.26

「卒FIT」 ってそもそも何?
FITとは?
まず、「FIT(フィット)」とは「Feed-in Tariff」の略で、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の意味を表します。
つまり、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。
ここでいう再生可能エネルギーとは、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電の5つを指します。
余剰電力買取制度とは?
「FIT」には実は前身があります。それは「太陽光発電の余剰電力買取制度」という制度。
この制度は、太陽光発電による電気が自宅等で使う電気を上回る量の発電をした際、その上回る分の電力を一定の価格で、10年間固定で電力会社に売ることができる制度として、2009年11月より開始された制度です。
そして、2012年7月から「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が導入されたことに伴い、固定価格買取制度へ移行されました。
卒FITとは?
FIT(固定価格買取制度)が始まって10年が経過した2019年11月にFITを卒業すること、これを「卒FIT」と言います。
2019年11月以降、「卒FIT」を迎える太陽光発電が順次発生します。大手電力会社をはじめ、新電力も買取期間が終了した太陽光発電について、引き続き余剰電力の買取りを行う方針を示しており、具体的な内容を2019年4月に発表したため、話題になっています。
では具体的に卒FIT後なにをすればいいのでしょうか。
卒FIT後はどうすればいいの?3つの選択肢
選択肢1:現在の電力会社に売電
10年間の固定価格買取制度が終わったあと、太陽光発電システムのオーナーが特に何も手続きをしなければ、今まで通り大手電力会社に売電されることになります。
また、経産省は、大手電力会社に対して卒FIT後も電力の買い取りを続ける他、売電契約に過度な縛りを設けないようにといっています。少なくとも最初の買い取り契約については違約金を設けないことと定められました。
なので、新しい売電先を決めかねている場合、一旦はそのまま大手電力会社への売電を継続し、その後ゆっくり売電先を切り替えるのか検討した方が安心でしょう。
選択肢2:新たな電力会社に売電
卒FIT後に新たな電力会社と契約して売電することです。現在、多くの新電力が買取に名乗りを上げています。この新電力では、7円~11円/kWhの買取価格のところもあり、傾向としては新電力の方が若干買取価格が高いです。
まだ買取価格を公表していない企業などもあり、これからもどんどん発表されるかと思います。気になる会社の情報を積極的に集めておきましょう。
選択肢3:完全自家消費する
卒FIT後の売電価格は、およそ7~11円/kWhと予想され、電力会社から電気を買う価格よりも安くなります。
しかし、自家消費だけで全電力を賄うのは難しいのが現実。では、どうすれば自家消費割合を増やすことができるのでしょうか。考えられるのは、以下3つです。
- 蓄電池の導入
一見、高価なものだと思う蓄電池でも、最近は値段が下がってきているものも多く、また、性能も格段に向上してきています。
- エコキュートの昼間利用
エコキュートは空気の熱を使ってお湯を沸かすシステムなので、昼間の空気が暖かいときにお湯を沸かしておくと、消費電力も低く、発電量の多いお昼間の電力を効率よく使用することができます。
- 電気自動車(蓄電池)の充電
最後に、最近話題の電気自動車の活用です。
電気自動車の蓄電池利用については、蓄電池自体に補助金が出るので、自動車としても使え、かつ蓄電池としても使えるのでお得に感じます。
これを機に、電気自動車の購入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
太陽光発電システムをお持ちのオーナー様にとって、卒FITは重大な課題です。あらかじめ卒FIT後の作戦を練っておくとFITが終わったとしてもスムーズに新しい売電先へ電力を売ることができます。
今のご自身の状況にベストな選択をしてくださいね。